終の棲家なら

高齢者施設に家族が面会に来る場合に、どんな気持ちになるかと言うことは実際に体

験しないとわからないことが多くあるようだ。

私自身が家族を迎える側で、おとうさんやおかあさんの状況や居室周囲のことやサー

ビス内容や制度のことなどを説明したり話したりしたときに、こんな感じを受けるの

かとつくづくと思った。

できるだけわかりやすく、できるだけ居室や共用部分には簡便で簡素な感じで整理し

ておくことにも心がけたけれど、それもどうだったのかなと反省する。

できるだけ雑多な生活感のある空間もよかったけれど、味気無さを感じるのは家とは

違うスペースにならざるをえないからだろうが。

父は「こんな場所に連れてこられたのはいやだけれどしかたがないこともあるからが

んばるわ。だからおまえもがんばれよ。体に気をつけてな。」としみじみ話した。

また来ると言って施設を後にしたけれど足がとても重かった。