薬と毒

毎日きっちりと服薬している。朝夕である。仕事をしていたり、時間に追われていた

りすると抜けることも多かったが、それも気にせずに中途半端になっていたことも確

かだ。

それが入院しているようにまじめに服薬している。これは当たり前のことなのだろう

が、父親などは90歳になって入院するまでほとんど薬を飲まなかった。健康であった

からかもしれないが、気力を重視すれば病は治るとの精神論者であった。

古代は宗教的にもからんで読経や祈祷などが治療の前提ともなっていたようで、鑑真

和上が唐招提寺に来られてから薬主張で薬のリストを正倉院に奉納されたようだ。

薬を飲むたびに奈良の大仏を思い出すことはないけれど昔から薬は治療に使われたり

、毒として犯罪に使われたりしたようだ。

今の感染症の対策として新しい治療薬やワクチンが待望されているがそれも薬となる

か毒となるかわからないなりに人間自身が生き残るための必要物となっていくのだろ

う。